「英語は大雑把で、ストレートな言語である」と思っている日本人は多いのではないでしょうか。イギリスよりもアメリカの存在感が圧倒的に強い日本において『ガサツなアメリカ人が使っている→英語はガサツな言語だ』というステレオタイプを持つもの無理はありません。実際、「英語は3語で伝わる」だとか「1500語で言いたいこと言える」と言った書籍が人気を集めているので、一般的な解釈ではそうなっているのだと思います。
しかし先日、そのような一般常識を覆す『英語の品格』という書籍が発売されました。『英語は、けっして大雑把でストレートな言葉ではなく、はるかに繊細で豊かな表現にあふれている』と謳ったこの本。実際に読んでみて目から鱗の連続でした。
著者紹介
ロッシェル・カップ さん
経営コンサルタントやジャパン・インターカルチュラエル・コンサルティングの社長としても活躍する女性です。日本語でTwitterを行なっているなど、かなり日本語が堪能な印象を受けます。「 日本企業がシリコンバレーのスピードを身につける方法」や「日本企業の社員は、なぜこんなにもモチベーションが低いのか?」の著者。
大野 和基 さん
世界中を飛び回りながら取材を行う国際ジャーナリスト。ピーター・ドラッカーやオリバー・ストーンなど海外の要人を多数取材を行った実績がある。
印象的だった点
印象的だった点を全て書き出したらキリがありませんが、ここでは4点だけ代表的なものをご紹介したいと思います。
Please は丁寧ではない
ホストファミリーに対して"Please......" "Please......"と言いまくってる僕からしたら、なかなか衝撃的な一言。言い方によっては、命令しているように聞こえてしまうということです。友達同士の気軽なコミュニケーションでは問題ないかもしれませんが、お願いをする時には"I would appreciate it if you...."などと言った表現を使うことを提唱しています。
Whyは非難がましい
会話の中で、理由を知りたい時には"Why.....?"を使いますが、それをビジネスシーン等で使ってしまうと、なぜそんなことをしたのか?というニュアンスと捉えてしまうことがあるということです。
帰国子女の英語
こちらはNewsPicks Live であった話。純ドメからしたら羨ましい限りである、帰国子女にも落とし穴があります。例えば小学校3年生で帰国してた帰国市場の方は、ネイティブ並みの発音で話せたとしても、語彙の部分は小学生の時のままということがあります。その場合、スラスラと英語を話しているのに失礼な発言をしてしまって、大きく評価を落とすことにもなりかねないということです。
感想
とにかく早くこの本に出会いたかったの一言に尽きます。今までどれだけ品格のない英語を話してきたことか。特に英語圏に留学する方にとって必読の図書だと思います。
とはいえ、当たり前の話ですが、僕のようにアメリカに来て数ヶ月のうちは、品のない英語でも、とにかく話してみることが重要です。品のある英語を話そうとして、発言数が減ってしまっては英語は上達しません。そこで僕が実践しているのは、
①普段は品格ある英語を話すことを意識せずに、多くの発言をすることにフォーカス
②その中で1日1フレーズだけ品格のあるフレーズを選び、1日3回そのフレーズを話す
ということをしています。そんなこんなで、英語を少しずつ上達しております。英語はただの手段の1つとは言いますが、それができないと舞台にも上がれませんからね。留学して数ヶ月といった、僕と同じような状況の方は試してみてください。